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地球儀を触っている学者を描いたこの作品。「天文学者」として、ヨハネル・フェルメールが1668年頃描いた作品です。フェルメールはレンブラントと並ぶ17世紀オランダ黄金時代の代表画家であります。特に「真珠の耳飾りの少女」が余りにも有名であり、何故に「天文学者」を掲載したかというと、他に地球儀をこの絵の奥にある、棚を上においた「地理学者」(1669年)の2点が私の好みだからです。この2作品が鑑賞できるとのことで、昨年12月たまたま出張中の京都市美術館に行った。「フェルメールとレンブランド展」という看板であったから、期待して¥2500入場券を払って入ったのだが、作品は3点しかなく、全くの「詐欺」だとクレームを言いたくなるほどである。美術館にお出での際は気を付けた方がよい(展示数を確認すべできですね)。ところで、フェルメールの画風に一つの特徴があって、多くの方は気が付かれているかと思うが、人物描写の場合に左側に視点をおいていることです。この作品も左向きで左手に光りが入る窓があります。「地理学者」も同じ構図です。他に「手紙を書く女」「ヴァージナルの前に立つ女」「牛乳を注ぐ女」「兵士と笑う女」「窓辺で手紙を読む女」等々、常に女性と窓(光り)を常に意識した作品が、その43歳と言われている生涯で、作品数40点前後の少ない数のなかで圧倒しているのです。光の陰影、女性特に下働き或いは娼婦を描くことから人生の明暗を描写したかったのでしょうか。そんな事が想像できます。今度美術評論家にでも会ったら聞きたいくらいです。それにしても本作品、また風景画の「デルフト眺望」は私が大好きな作品です。是非皆さまも機会あれば鑑賞願います。作品数が少ないのが希少価値ともなり、また覚えやすいです。日本に作品が展示されること待ち望んでます。